#22

晦日の夜、母の付き合いで、舞台『No.9 -不滅の旋律-』 の生配信を観ていた。 コロナ禍において合唱は、特に避けられるべきものという認識が強まっていたことや、そして感染者数が急増して医療機関の逼迫が報道されていた2020年の12月末という状況の中、舞台上で人々が身を寄せ合いながら歓喜の唄を歌っている様は、切実なほどに「歌う喜び」に満ちあふれていて、途中から見たにも関わらずグズグズに泣いていた。演者も観客も絶対に最後まで演じきる/見届けるという一体感があったんじゃないか。この瞬間に上演されることに重大な意義があると思ったし、上演された事に感謝の念が湧き起こった。良いものを観た、という感動と、素直な心の動きそしてそれを素直に受け入れられた自分があって、葛藤と虚無と混乱によってざらついた気持ちで終わった年内最後の研究打ち合わせが少しだけ救われた。

……ざらついた気持ちで新年を始めたらミスばかりする。ようやっと不備のない計算セットが作れそうなところで深夜になっていた。帰り道でとぼとぼ、変化に対して喪に服す時間がないと時/自縛霊(じばくれい) になってしまうのではないか、などと考えていた。

投稿予定がまた後ろに伸びて他のスケジュールを圧迫し始めていて焦燥感がある。心から楽しいと思うことを忘れている、或いは楽しさ/面白さを感じられないほどには知識/スキルが足りていない。