#45

卒業シーズン,なんとなくボヤーっとしてしまうのは花粉と暖かさのせいだけじゃない.

「なのに」と逆説的に生きるという方向性がある.置かれた環境に満足しない姿勢をとる時「なのに」は自分を奮い立たせることがある.

「女の子なのに」「そこそこ綺麗なのに」「虚弱なのに」「頭悪いのに」これらは全て実際に言われてきたことである.何くそ,ウッセーと思ってきたけれど「○○」がネガティブに扱われている以上は,どんなに奮い立たせてもこびり付きいつまでも付き纏って,わずかな隙間に入り込んでくる.「女子枠」「顔採用」「優秀じゃない枠」......「顔採用」は悪意ありまくりだけど,残り二つはその名称で傷つけられてるのに多様性の名の下に他人からそう定義され,その役割を押し付けられてきた.私も無意識のうちに応えていたしそう振る舞ってた.

 

ずっと苦しかったんだな,もういいよって許してやりたい.

 

その前から許してもいいかなと思える出来事が多々あった.自分の周りの人が一切こういうことを言わない人ばかりで良かった.反対に,私を出汁に心ないことを言われた方もいるらしい.恵まれていると同時に申し訳なく思う.他所に行ったらこうはいかないかもしれないのが辛いところである,と見送る人に声をかけながら思った.