#38

「何でもない住宅街の描写が上手い」と褒められたことがあった. 気が狂うほど描いた記憶がないなので,意外だった.と同時に画力と呼ばれるものの大半が観察力に依拠しているのだと思わされる出来事だった. 住宅街のことは特段好きでも嫌いでもない.あるとしたら設計課題のため,あるいは専門的興味のために,住宅街を構成する要素について思いを巡らせていたことくらいだ. その興味も熱量があるかと言われるとそうでもない.

理解するために描く,描くためによく観察し理解する.

自分自身のことを考える時間が少しずつ減ってきて,逆に日々の過ごし方がよく分からなくなっている.これまでどうしてたっけ?